
お正月やお祭りで登場する「獅子舞」。頭を噛んでもらうと「厄除け」や「健康祈願」になると言われ、地域の方々にとって大切な行事ですよね。
そんな獅子舞にご祝儀を渡す習慣がありますが、
「祝儀袋ってどれを選べばいいの?」
「金額はどのくらいが相場?」
「渡すタイミングや書き方ってあるの?」
と迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、獅子舞に送る祝儀袋の正しい書き方とマナーを、初心者の方にも分かりやすく、やさしい言葉でご紹介します。
これさえ読めば、初めての方でも安心して準備できますよ
獅子舞と祝儀袋の基本理解

獅子舞の起源と意味
獅子舞は、中国から日本へ伝わったとされる伝統芸能で、室町時代にはすでに広まっていたといわれています。
日本では「悪霊を追い払い、福を呼び込む舞」として親しまれ、特にお正月やお祭りで披露されます。
獅子舞に頭を噛まれると「邪気を払う」「健康で過ごせる」と信じられており、大人も子どもも縁起を担ぐ大切な行事となっています。
獅子舞とご祝儀の関係
獅子舞を舞ってくれるのは、地域の保存会や子供会、町内会の若者たちが中心です。
ご祝儀は、舞の労をねぎらい「ありがとう」という気持ちを表すと同時に、活動費や道具の維持費として役立てられます。
つまり、ご祝儀は単なるお金のやりとりではなく、地域文化を支える大切な心づけなのです。
お祭りや正月におけるご祝儀袋の役割
お祭りやお正月は「一年の始まり」「豊作祈願」といった意味を持つ特別な時期です。
その場で渡される祝儀袋には、次のような役割があります。
- 感謝の気持ちの表現:「舞ってくれてありがとう」という気持ちを形にする
- 縁起担ぎ:「福を呼び込む」意味を込める
- つながりを深める:地域の人々との交流のきっかけになる
商売繁盛・厄除けとしての役割
特に商店や会社では、獅子舞にご祝儀を渡すことで「商売繁盛」の願いが込められます。
また、頭を噛んでもらうのは「厄除け」の象徴。
「今年も健康で」「お客様がたくさん訪れますように」という思いを込めて祝儀袋を準備するのです。
獅子舞祝儀袋の正しい書き方

祝儀袋の種類と使い分け
基本の選び方
- 紅白の蝶結び(花結び)が基本です。何度あっても嬉しいお祝い=お祭り・正月にぴったり。
- 金額が1,000円前後ならポチ袋でもOK。2,000〜5,000円以上はのし付き祝儀袋が見た目も整います。
- 印刷水引でも問題ありませんが、金額が大きいほど水引が立体のものを選ぶと丁寧に見えます。
サイズとデザインの目安
- 少額:小さめ・シンプル
- 中額:標準サイズ・紅白水引
- 高額:しっかり生地・金銀水引(地域によっては華美すぎないものが好まれます)
表書きの書き分け(上段の言葉)

書く位置と基本
- 祝儀袋の中央上部に縦書きで。濃い黒で楷書が基本です。
ケース別のおすすめ表記
- 個人で渡す…「御祝」「御礼」
- 神社や祭礼団体に納める…「奉納」
- 地域の神事としての獅子舞に納める地域…「初穂料」を用いる場合も(※地域ルールに従いましょう)
迷ったら…多くの場面で使えるのは「御祝」。神社へ正式に納めるなら「奉納」が無難です。
名前の書き方(下段)
個人・家族・団体での表記
- 個人…フルネーム(例:山田花子)
- 夫婦…右に世帯主、左に配偶者(例:山田太郎 山田花子)
- 家族・世帯…「山田家」でもOK。中袋に全員の名前を書くと親切です。
- 会社・店舗…上段に「〇〇株式会社」、下段に「代表取締役 山田太郎」など肩書きを入れると分かりやすいです。
- 連名(3名以上)…表は代表者名+外側に「他〇名」。中袋や別紙に全員分を記載すると丁寧。
中袋(なかぶくろ)の書き方

表面(中央)
- 金額を縦書き。
- きっちり書くなら漢数字(大字):
- 1=壱、2=弐、3=参、5=伍、10=拾、1,000=千、10,000=壱万
- 例)金伍千円、金壱万円(「也」を付けるなら「金伍千円也」)
- わかりやすさ重視なら算用数字でも可(地域で柔軟)。
- きっちり書くなら漢数字(大字):
裏面(左下〜下部)
- 住所・氏名(団体側が集計しやすくなります)
- 日付は不要でもOK。地域で求められる場合は和暦で入れます。
メモ:外袋(表書き)に金額は書きません。金額は中袋だけに。
お札の入れ方と封のしかた
お札の向き・揃え方
- 人物の顔が表・上向きに揃えます。
- 新しい年のご挨拶なので、できれば新札が好印象。やむを得ない場合は折れや汚れの少ないお札を。
封の仕方
- のりで軽く封をすると中身が出ず安心。
- 付属シールがあれば使用OK。ホチキスやセロハンテープは避けるのが無難です。
- 「〆」マークは地域の流儀によります。迷う場合は記入しないでOK。
水引の選び方と意味
結び・色・本数
- 蝶結び(花結び)…何度あっても嬉しい慶事に。お祭りや正月はこちら。
- 色…紅白が基本。金額が大きい・格式を上げたいときは金銀も。
- 本数…本数が多いほど格式が上がりますが、華美すぎは地域によってNG。標準的なものが安心。
筆記具とインクの色
- 毛筆・筆ペンがおすすめ。にじみにくい上質紙ならサインペンの黒でもOK。
- 薄墨は弔事用なので避けます。
- 文字は楷書でゆっくり。小さく細いより、読みやすさ優先で。
手順が一目でわかる「書き方フローチャート」
- 祝儀袋を選ぶ(紅白蝶結び・金額に合うサイズ)
- 表書き(上段)を書く(御祝/奉納 など)
- 名前(下段)を書く(個人・家族・団体に応じて)
- 中袋・表に金額(大字 or 算用数字)
- 中袋・裏に住所・氏名(必要なら電話も)
- お札を入れる(顔が表・上向き/新札推奨)→のりで軽く封
- 外袋に中袋を入れる(表が前/水引の結び目が上に来る向き)
具体例
例1:個人で「御祝」1,000円
- 表書き:上段「御祝」/下段「山田花子」
- 中袋・表:金壱千円
- 中袋・裏:住所・氏名(任意)
例2:家族で「奉納」5,000円
- 表書き:上段「奉納」/下段「山田家」
- 中袋・表:金伍千円
- 中袋・裏:住所・氏名(任意・家族全員名を書いても親切)
例3:店舗名で「御祝」10,000円
- 表書き:上段「御祝」/下段「〇〇商店 山田太郎」
- 中袋・表:金壱万円
- 中袋・裏:店舗住所・電話(任意)
よくある迷い&NGを先回り
- 迷い① 表書きは「御祝」か「奉納」か
→ 個人や家庭:御祝/神社や祭礼団体へ正式に:奉納(地域慣習に合わせればOK) - 迷い② 数字は大字じゃないとダメ?
→ きっちりなら大字、読みやすさ優先なら算用数字でも大丈夫。 - NG① テープでぐるぐる封…見た目が硬くなります。のりで軽くが上品。
- NG② 濃すぎる装飾…地域により控えめが好まれることも。標準的な意匠が安心。
迷ったらコレ(最小セット)
- 紅白蝶結びの祝儀袋
- 表書きは「御祝」
- 下段にあなたの名前
- 中袋に金額(例:金伍千円)、裏に住所・氏名
- 新札を人物の顔が上向きに入れて、のりで軽く封する
金額と中袋のマナー
金額の相場(個人・家庭・商店での違い)
獅子舞へのご祝儀は「感謝と縁起」を示すものなので、高額すぎても少なすぎても不自然になりがちです。
一般的な相場は以下の通りです。
- 個人の場合:1,000〜3,000円程度
→ お祭りの場で渡すなら1,000円が基本。特別にお世話になっている場合は3,000円でも。 - 家族・世帯の場合:3,000〜5,000円程度
→ 家族全員でまとめて渡すイメージ。 - 商店や会社の場合:5,000〜10,000円程度
→ 商売繁盛を祈る意味合いが強く、やや高めに設定されることも多いです。
💡 ポイント:金額は「地域の習慣」によって変わるので、昨年の相場や近隣の方の金額感を参考にすると安心です。
金額の数字の書き方(中袋・表)
中袋の表面には金額を縦書きで記入します。
ここで使われるのが「大字(だいじ)」と呼ばれる旧字体の漢数字です。
- 1 → 壱
- 2 → 弐
- 3 → 参
- 5 → 伍
- 10 → 拾
- 1,000 → 仟(または 千)
- 10,000 → 萬(または 壱萬)
例)
- 1,000円 → 金壱千円也
- 5,000円 → 金伍千円也
- 10,000円 → 金壱萬円也
「也(なり)」は省略しても問題ありませんが、つけると格式が上がります。
中袋の裏面の書き方
裏面には住所・氏名を書きます。
- 個人ならフルネーム
- 家族や世帯なら「山田家」でも可(必要に応じて全員名を記入)
- 会社・店舗なら「〇〇株式会社 代表取締役 山田太郎」など肩書きを入れると丁寧
💡 住所を入れるのは、集金後に誰から受け取ったかを確認しやすくするためです。地域行事ではとても大切な配慮です。
お札の扱い方(入れ方と注意点)
お札の入れ方
- 人物の顔が表・上向きになるように揃えて入れる
- 複数枚入れる場合も必ず同じ向きで統一
新札の使用について
- お祝い事なのでできるだけ新札を準備すると良い
- 新札が手に入らない場合は「折れや汚れが少ないきれいなお札」を選びましょう
💡 ポイント:「わざわざ新札を用意しました=お祝いを心から大切にしている」という気持ちが伝わります。
NGマナー(やってはいけないこと)
- 金額を外袋に書く → 中袋にのみ記入する
- 鉛筆やボールペンで書く → 濃い黒の筆ペンやサインペンで
- 旧札やしわしわのお札 → 「使い古し」の印象を与える
- テープやホチキスで留める → 必ずのりで軽く封を
実際の書き方例

- 【個人】
表書き:御祝
氏名:山田花子
中袋表:金壱千円也
中袋裏:東京都〇〇区△△町1-2-3 山田花子 - 【家族】
表書き:奉納
氏名:山田家
中袋表:金伍千円也
中袋裏:住所と世帯主の名前 - 【会社】
表書き:御祝
氏名:〇〇商店 山田太郎
中袋表:金壱萬円也
中袋裏:店舗住所・電話番号
地域ごとの風習と配慮
地域差のある習わし
関西では「お心付け」として少額、関東では「ご祝儀」としてやや多めに包むなどの違いもあります。
金額が高すぎても失礼になる理由
ご祝儀は「気持ち」が大切。高額すぎると相手に負担を感じさせることもあるため、相場を守るのが無難です。
神社や町内会に寄付として渡す場合
「奉納」と書いた祝儀袋を使い、少し丁寧に包むのが一般的です。
子供会や町内会からのご祝儀
子供会や地域の団体からまとめて渡す場合は、連名で表書きをすると分かりやすいです。
獅子舞当日の準備と流れ
用意しておくべきもの
祝儀袋・筆ペン・新札を事前に準備しておきましょう。
ご祝儀を渡すタイミング
- 獅子舞が来る前にあらかじめ準備しておく
- 舞の後や頭を噛んでもらった後に渡すのが一般的
渡すときの一言フレーズ例
「今年もよろしくお願いします」
「無病息災を願っております」
など、短くても気持ちを添えると喜ばれます。
よくある質問Q&A
Q1. 獅子舞へのご祝儀は必ず必要?
地域によりますが、多くの場合「少額でも良いので気持ちを渡す」のが習わしです。
Q2. ご祝儀の金額はどのくらいが一般的?
個人なら1,000円程度からで大丈夫。地域の相場に合わせると安心です。
Q3. ご祝儀袋が手元にないときの代用は?
白封筒で代用可能です。その際は、表面に「御祝」と書くと丁寧です。
Q4. 子供が少額を包むのはマナー違反?
むしろ微笑ましく受け止められます。ポチ袋で100円〜500円程度でも大丈夫です。
Q5. 獅子舞にお菓子やお酒を渡してもいい?
金銭が一般的ですが、地域によってはお菓子や飲み物も喜ばれます。
まとめ|心を込めて伝えることが大切
- 祝儀袋の種類や金額よりも「感謝の気持ち」が大事
- 地域の風習に合わせて準備すれば安心
- 初めてでも、丁寧に準備することで十分伝わります
獅子舞は、ただの伝統行事ではなく「人と人をつなぐ機会」でもあります。
ぜひ、笑顔で祝儀袋を用意して、心からの「ありがとう」を伝えてくださいね。